ママたちの体験談

熊本地震忘備録(筆:bonheur)

熊本市南区 bonheur 子供:3歳(男)、1歳3か月(男) 公開日:2017.05.17 更新日:2017.05.17

4月14日 前震発生直前

子供達は和室で就寝中。主人は帰宅して夕食を摂り、お風呂に入りに行った。私はリビングでテレビを見ていた。
(我が家は、3階建てのアパートの2階に居住。寝室として使っている和室が、リビングダイニングに隣接している間取り。)

前震発生直後

直後…と言っても、自分でも分からないけど、揺れだしたと同時に、とにかく和室の子供の所に行かなくちゃ!と思い立ち上がろうとした。しかしよろめいて歩けなかった。その時は自分が激しいめまいに襲われたと思ったけど、すぐに地震だと思い、慌てて這い上がって子供が寝ている上に覆い被さった。緊急地震速報は鳴らなかったと思う。気付かなかっただけかも…。

揺れがおさまるのを待った。おさまった後に恐怖心でいっぱいになり、主人の名前を大声で呼んだ。主人は裸にタオルを巻きつけて、リビングに駆けつけてきてくれた。しかし落ち着いて見てみると、リビングは食器棚から落ちて割れた食器や、棚の上から落ちたものが散乱していて、そこを裸足で来たのに怪我ひとつなかった主人。今は笑い話にしている。

子供達はラッキーな事にあの揺れでも起きず、揺れよりも私たちの慌ててる声で起きた。とにかく割れたガラスが散乱しているリビングに行かないように、私が子供のそばにいて落ち着かせて、その間に主人がガラスの破片や落下物の片付けをしてくれた。

ラッキーだったのは、うちの食器棚に突っ張り棒をしていた事。我が家は2年前に福岡から引っ越してきたが、その時に主人が一応しておこうと突っ張り棒をした。私はあまり必要ないんじゃないかと思っていたが、おかげで食器棚が倒れる事はなかった。そして、子供が扉を開けないように開閉防止ロックをあらゆる棚にしていたため、棚の中身が飛び出す事はなかった。しかし食器棚の上部の引き戸はロックしておらず、引き戸が揺れで開いて、中の食器やグラスなどが飛び出し割れてしまった。

そしてさらにラッキーだったのは、片付けをしている時に主人が、突っ張り棒が緩んでいる事に気付いて締め直してくれていた事。私は全く気付かなかったけど。まさか2回目があるなんて…。

私も、いつ避難しても良いように、貴重品やおむつ、おしりふき、家にあった食料などをバッグに詰め込み、枕元においた。そして家族みんなの分の靴と靴下、エルゴ(だっこひも)もおいた。なかなか寝付けず、テレビをつけたままその日は寝た。

4月15日

主人は朝から仕事へ行った。幼稚園は休みという連絡をもらったので、家で過ごす事に。まだ余震も激しかったし、また食器棚などからものが落下してきたら危ないので、遊ぶのも食事を摂るのも和室でする事やなるべく和室から出ないようにということを子供にも伝えた。和室はタンスなど倒れてくるものがないので、我が家で一番安全な場所だと思ったから。

緊急地震速報が鳴ると、子供たちを布団に呼び寄せ、くるまっておさまるのを待った。いつでも避難出来るように、部屋から玄関の扉は全て開け、玄関もチェーンはかけなかった。ご飯は何を食べたのか覚えてない。多分怖くて作らなかったと思うけど、何を食べさせたのか全く覚えてない。

4月16日 本震

本震の時は、和室で就寝中。緊急地震速報も鳴ったかどうか覚えてない。突然の激しい揺れにとにかく子供と布団を頭からかぶり、おさまるのを待った。揺れがひどくて、長く感じてとっても怖かった。しかしこの日も子供達は揺れよりも私たちの声で起きたようで、そこはラッキーだった。

片付けたリビングは、前震の時よりも落下物がひどかった。食器もまた落ち、棚の上に置いてたもの全てが落ちたという感じ。冷蔵庫も少し動いていた。とにかく部屋から出ようという事になり、まずは子供達に今から避難するからね、と説明。お父さんもお母さんも一緒だから安心して付いてきてね、落ち着いて靴下と靴を履こうね、と何をする時も声かけをした。

廊下も落ちてきたもので足の踏み場もないくらいだった。次男をエルゴで抱っこして、荷物をもち、まずはそれだけで車に避難。その後、主人がブレーカーを落としたり、毛布や上着を取りに帰ったりして、車に戻ってきた。実家の両親に電話がつながり、両親が住んでるマンションの近くにあるスーパーの駐車場に行く事にした(義両親は天草在住のため、電話で安否確認をした)。

スーパーの駐車場で両親とも無事に会い、そのまま朝まで車中泊。でも私は一睡も出来ず。朝方になり、とりあえず主人は仕事に行ってみるという事で、みんなで一旦アパートに帰る。母親にも一緒に来てもらい、子供と一緒に車で待機してもらってる間に、主人と私は荷物を取りに部屋へ。

散乱している部屋から、とにかく持っていけるものは持って行くつもりで、車に積み込む。布団、食料、紙コップ、紙皿、割り箸、お菓子、おむつ、洋服…とにかくまた余震があるんじゃないかという恐怖の中だったので、目に付いたものを手当たり次第詰め込んだ。

その後、主人は着替えて仕事へ(バイクで出勤)。スーパーの駐車場に戻り、両親とどうするか相談。両親が住んでいるマンションはひびが入り、部屋もひどく、このまま家にいるのは怖いという事で、一緒に小学校に避難しようという事になり、そちらへ向かった。小学校に避難する事にためらいはなかった。私もアパートにいるのは怖かったし、安全な場所にとにかく移りたかった。

小学校の体育館はいっぱいで、どうしよう…と思っていたら、教室を開放するという事になったので、教室で避難生活を過ごした。長男と同じ幼稚園の家族の方など、知り合いもいて、少し安心した。

小学校には1週間お世話になった。次男がまだ1歳3ヶ月だったので、夜泣きもしたし、授乳も必要だったけど、周りの方達みなさんから優しくしていただき、泣いても気にせんで良かよ〜と言ってもらったりして、本当にありがたかった。避難中は、子供を両親に見てもらいアパートに戻って部屋の片付けをしたり、開いたスーパーに買い出しに行ったりした。1週間は水が出なかったので、友達の家にお風呂を借りに行ったりもした。しかしやはり精神的体力的に疲れてきて、岡山に住んでいる私の妹のところへ、子供と私の3人で行く事にした。揺れを感じない生活がしたかった。新幹線が開通するのを待って、私と子供は岡山へ。主人は仕事があるので、アパートに戻る事になった。

やっておけば良かったと思う事

①水をためてなかった。避難する際にお風呂に水を貯めておけば良かったと思う。小学校に避難はしたけど、荷物を取りに帰ったりした時にトイレも使えなかった。アパートやマンションだと貯水槽に溜まっている分はあるので、すぐお風呂に溜めるべきだと思った。
②食料やおむつなどの買いだめをしていなかった。避難グッズは一応あったけど、特に確認や補充などしていなかった。

避難生活で必要だなと思ったもの

①ウェットティッシュ・・・水が出ないので手が洗えない。ついでに使い捨ての体拭き用もあれば良いと思う。
②ゴミ袋・・・避難生活で食料の配給がある時、家族人数分のおにぎりやジュースなどをもらうので、ビニール袋があれば一人で人数分の食料がもらえる。あと、ゴミ袋にしたり、雨の日の靴入れにしたりした。
③ラップ・・・炊き出しなどでおにぎりを作る時に、素手では出来ないので。あと、紙皿にラップをしいて食事をしたりした。寒い時には防寒にも役立つと聞いた。
④アルコール除菌のジェル・・・あればなお良い。
⑤マスク・・・感染症予防、乾燥対策に。
⑥おりものシート・・・下着が頻繁に交換できないので。
⑦子供の年齢にも寄るけど、レトルトの離乳食やストロー、スプーンなど。次男はまだストロー飲みさせてなかったしお箸も使えなかったので、焦った。

やって良かった事

①タンスや棚に突っ張り棒をしていた事。そして地震後にそれを締め直していた事。
②引き出しなどにロックをしていた事
③枕元に家族全員分の靴と靴下を用意していた事。まさか本震があるとは思ってなかったが、結果として本震があり、本当に足の踏み場がないくらい散乱したので、和室で靴を履かせて避難した。

我が家の地震対策

① 避難グッズを3つに分けて準備。
(1) すぐ避難する時に持ち出すものリュックに入れて玄関先に置く
(2) 食料を入れたバッグを玄関までの廊下に置く。あとで取りに帰った時に   持ち出せるように。
(3) 紙皿、紙コップ、割り箸、生理用品、おしりふき、ラップ、ウェットティッシュ、歯ブラシ、スリッパ、おもちゃ、ノート、筆記具、雨具など必要だと思うものをコンテナ様のボックスに入れて、玄関に近い部屋に置く。あとペットボトルの水とおむつ1袋も。これらも避難した後に取りに帰った時に持ち出せるように。
② 避難場所を家族で共有。何かあったら小学校へ。

その他

私は去年の5月から今年の5月まで、熊本日日新聞社発行のキャロットという子育て情報誌のママスタッフをさせてもらいました。その中で防災士の方に自分の避難グッズをみてもらう機会があり、いくつかアドバイスを頂きました。その時に、大人用子供用の下着や靴下の替えを入れておく事、家族の写真の裏に家族の名前や年齢、血液型などを記入して持っておく事、小銭を少し入れておく事(公衆電話が使えるように)などのアドバイスも頂きました。

あと、たまにそのリュックを背負って、子供の手をひいて、実際に避難場所まで散歩がてらに歩いてみる事も勧められました。必ず車で避難できるとは限らないので、どの道を通って行くか、危険の少ない道を前もって知っておく事も必要だそうです。そして子供にもこの道を通って行くよ、小学校に避難するよと教えると良いという事でした。

それと、懐中電灯は手回しで充電できるものが良いとの事。どうしても電池式しかない場合は、替えの電池の補充を忘れないように。

2017年4月12日 筆:bonheur

教訓
  • 履き物を枕元に置いておくと、物が散乱していても逃げやすい
  • タンスや棚には突っ張り棒や開閉防止ロックなどの対策を
  • 大きな地震後「すぐに」水を貯めよう
  • ウエットティッシュ・ゴミ袋・ラップ・アルコール除菌ジェル・マスク・おりものシート・子供関係の品は避難所生活に必要
  • 買い置きはオムツも忘れずに