防災ハウツー

寒さ・怖さ・エコノミークラス症候群…大地震後の車中泊とはどんな状況?

公開日:2017.03.16 更新日:2017.03.16

熊本地震が起きた後、避難所に様々な理由で入ることを選ばなかった(選べなかった)多くの人達が車の中で避難生活を送っていました。ライター宮崎がママ達へ行ったインタビューでも、自分の子の泣き声などが周りに迷惑をかけるのではないかと思い車中泊を選んだという話が聞かれました。車中泊とはどんな状況なのか、私が経験した車中泊は一例にすぎませんが、紹介したいと思います。

車中泊の理由

私の場合は、他の家族は3日目から家の中に寝ていたのですが、自分は余震が怖くて家の中では眠れなかったので娘と車中泊することにしたという事情があります。他県にいる妹の家に娘と二人で避難するまでの4泊、車の中で朝が待ち遠しい夜を過ごしました。妹の家に避難できなかったら、車中泊の日々はもっと長かったと思います。

私は余震が怖くて車中泊しましたが、他のママ達のように子供の夜泣きや、それにペットがいたからという理由で避難所に入らず、車中泊した人もいます。熊本地震では、プライバシーを守るため、また避難所に入れなかったから車中泊したという人もいました。

気がかりだった寒さ

私が車を泊めていたのは自宅アパートから徒歩2分のところにある夫の実家(一軒家)、そして自分の実家に帰ってからはその庭です。田舎でただでさえ暗いのに、停電で防犯灯もつかないという状況の中、畑の横に車を泊めて4歳の娘と二人で、毛布にくるまって寝ていました(夫は仕事で帰って来られませんでした)。暖房はついたのですが、車のことに詳しくないのでバッテリーがあがるのではないかと心配で、そしてガソリンも節約しようという気が働き、車のエンジンをかけたりきったりしていました。

毛布はありましたが、自分が寒いので娘も寒いだろうというのが一つ目の気がかりでした。しかし娘は意外とタフで、あの状況でもぐっすりと寝ていたのは不幸中の幸いでした。私の娘は4歳でしたが、もっと小さな子のママは車中泊をどう乗り切っているんだろう、ミルクを飲んでいる子のママはどうやってミルクを作っているんだろう、と考えていたのを覚えています。

暴漢の心配

二つ目の心配は、変な人が来たらどうしようということでした。車の窓をたたく人の姿を想像しては恐怖でおびえていました。夫の実家では携帯は圏外でしたが、実家に帰ってからは、ラインにて、自衛隊の恰好をして自衛隊のふりをした暴漢がいるといううわさも流れてきました。折しも実家の敷地内にあるアパートの周りに不審な人がいます。アパートに住んでいる方の知り合いだったのでしょうが、その時は怖くて怖くてたまりませんでした。加えて、私は怖がりだからかもしれませんが、阿蘇山が噴火しているような音が空耳として聞こえてきました。不審者だと思っていたその人に気配を悟られないよう姿を低くしながら姉妹にラインで連絡をとっている時に妹から避難してきたらと連絡があり、ほっとしたのを覚えています。

足を伸ばせない状況

私の車は軽自動車でしたので、車中泊で足を伸ばすのは難しい状況でした。後部座席に娘を寝せて自分は運転席に寝たり、娘と一緒に後部座席に寝たりしていました。座席は倒すことができましたので、ぎりぎりまで倒してなるべく寝やすい姿勢を探して寝ていましたが、どうしても寝にくかったのを覚えています。ママ達へのインタビューで、長距離移動用に用意していた、車の座席に敷く、空気を入れてふくらませるタイプのマットが役に立ったという話を聞きましたが、確かにそういうものを車に入れておくのも一案かと思いました。

熊本地震では、エコノミークラス症候群で亡くなった方もいらっしゃいます。エコノミークラス症候群とは、長い時間座ったままの姿勢でいることでふくらはぎ付近で血がよどみ血栓ができ、それが肺の血管を詰まらせて最悪の場合は死に至る病気です。予防するには、適度に運動すること、水分をこまめにとること、弾性ストッキングをはくことなどが重要だと言われています。車中泊はエコノミークラス症候群という病気を招きやすいということは、今後も注意していく必要があると思います。