防災ハウツー

歌うママ防災士・柳原志保さんに学ぶ、今日から始められる「日常備蓄」

公開日:2017.01.12 更新日:2017.01.13

「食料備蓄と言うけれど、一体何から用意したらいいんだろう」と思う方は多いと思います。筆者も熊本地震のためにライフラインが止まったなか料理をしなければならない状況を経験したにも関わらず、「食料備蓄」となると構えてしまって、頭が急に回らなくなっていました。そこで今日は、熊本県玉名郡和水町に住み「歌うママ防災士」のキャッチコピーで活動されている柳原志保さんに、食料備蓄のポイントについて伺いました。
(以下、柳原志保さんのお話です。)

楽しみながらできる備蓄を目指そう

私が大切だと思っていることは、「続けられる備蓄にする」「楽しみながら物を備える」ということです。そのためには「日常備蓄」という考え方をしたらいいです。と言っても、そんなに構える必要はないんですよ。特売日に、自分や家族が食べなれたものを多めに買っておくのです。私の場合、肉は半額シールが貼ってあるのものを見つけたら多めに買って、すぐに冷凍しておきます。また、賞味期限が数年あるパスタやトマトホール缶の他、ツナ缶やコーン缶といった調理しないでも食べられる、また子供が食べやすいものを置いています。さば缶もいいとは思うのですが、自分があまり食べないので置いていません。ちなみにツナ缶は、底に穴を開けてティッシュをこより状にしたものを差し込み、火を付ければ、油がしみたこよりに火が灯り、ランプにもなるんですよ。もちろんランプとして使用した後は、食べられます。

また、避難所には、最低限命をつなぐものが配られますから、自分の好きなものが必ずくるとは限りません。なので、「好きなお菓子」を自分で用意しておくのは大事なことです。弱っている時、好きなものを食べるとほっとします。これはコーヒーなどの嗜好品についても言えることで、毎日コーヒーを飲んでいる人ならコーヒーを非常時でも飲めるようにすれば、日常に戻れたような気持ちになるのです。「心」をほっとさせたり、元気を出させたりするのがお菓子やコーヒーだと思います。私の場合は、「すっぱムーチョ」が大好きですから、多めに買っておきます。そして日常でも、自分へのご褒美のように、疲れた時にこれを食べながらテレビを見ます。ほっとできるひとときです。そして特売日に買い足しておきます。このようにしてお菓子を日常備蓄しておくのです。

ライフラインが止まったら、冷凍庫の中のものも役に立つでしょう。よく皆さんご飯をラップに包んで小分けにして冷凍していると思いますが、ご飯の冷凍は自然解凍でも食べられます。冷蔵庫にも、私は結構食べ物を入れています。冷蔵庫・冷凍庫も活用して備蓄をしていきましょう。そして、一家に一台カセットコンロです。カセットコンロの火とお鍋でご飯を炊ける知恵を備えておくことをおすすめします。

食料を置いておく場所に関しては、私の場合、今の家は津波が来るエリアではないので、家に戻って来られることを想定し、玄関のそばの縁側・倉庫などに置いています。

完璧を目指すと続かない

備蓄というと「アルファ米のような非常食を買わなければいけないのか」と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。もちろんアルファ米も備えてだめなものではありませんが、値段が高いし、例えば私であればいざという時にしか食べないと思います。気づいた時には賞味期限が切れているということになるのも心配です。それよりかは、日常生活の延長上にある食料を備えておいた方がいいと思っています。

備えというものには、完璧も正解もないと私は思います。構えたり完璧にしようとしたりすると、備蓄は続きません。特売日にまとめ買いするとか、そういう楽しい方法で備蓄をしていきましょう。備蓄に関してハードルを上げてしまうと、続かないですよね。今年はできても、来年・二年後・三年後にやめてしまう備蓄では意味がありません。災害は忘れた頃にやってきますから。私がやっているような日常備蓄だと、ハードルが低いですのですぐにやれるし、続けていけるのではないでしょうか?

「車」は備蓄にいい場所

少し話がそれますが、避難所で不足するものとして、離乳食・アレルギー食・ミルク・オムツ・メガネ・コンタクト・生理用品などがあります。避難所では、皆が使うものが優先して配られるので、一部の人が使うものは不足するのです。お年寄りがいればメガネが必要なことは多いでしょう。でも、メガネを2本買って備蓄しておくのはハードルが高いですよね。ですので、更新前、つまり買い替える前のメガネを取っておいて、車の中に入れておくとよいと思います。車は、備蓄を置ける場所として活用できます。例えば私は生理用品・パンティライナー・ウェットティッシュ、着替えなどの腐らないものを車の中に入れています。特に自分にとって大事なものは複数、違う場所に用意しておくというのは大事です。一か所に集中すると、取り出せなかった時に困るからです。私の場合は生理用品やパンティライナーは普段持ち歩くバックの中や、避難バック、そして車に入れてあります。普段使いもしながら、備えにもなります。冷暖房も付いてプライベートも守れる便利な車に関しては、ガソリンが半分まで減ったら満タンにしておくというくせを付けておくといいです。非常時にはガソリンも手に入りにくくなりますので。

災害が起きたら、「水」が出るかまず確認しよう

私の場合、お水は2リットルのペットボトルを6本備えています。一日一人2リットルの飲み水が必要だと言われているので、2人×3日分を考えてこの本数にしていますが、これは最終的にどうしても水がない時に使うものと考えています。というのも、水は災害が起きてもすぐに止まるものではないことが多いんですね。熊本地震の前震の翌日、私が住んでいるところの近くでは水が水道から出ているのに水を求めてスーパーに行列ができていました。でも、水は清潔なペットボトルに入れておけば水道水でも3日間もちます。但し、浄水器を通した水はNGです。もちろんひなたに置くなどしたらそんなには持ちませんが、日陰などに置いておけば水はためておけるのです。お風呂の水は生活用水として活用できます。普段から使用した後に捨てずにためる習慣をつけるとよいですよ。災害が起きたらまず、水が水道から出るかどうか確認し、出たら「ためておく」という発想、そういった知識を持っておいてほしいと思います。

構えなくていい備蓄「もしもに備えるいつも」、早速始めたい

以上、柳原志保さんのお話でしたが、筆者は伺っていて目からうろこの連続でした。特に、「特売日にまとめて買っておく」とか「普段から好きなお菓子を多めに買っておき、たまに自分へのご褒美として消費する」という発想は、面白くて、なるほどと思いました。そういうことなら私にもできそうです。そのほかにも、コーン缶やツナ缶は確かに子供でもそのまま食べられるので、多めに買っておこうと思いました。「もしもに備えるいつも」なんですよね。今日明日にでも早速始められる備蓄のお話、柳原さんありがとうございます。

★歌うママ防災士:柳原志保さんのママ目線での防災術や活動は、柳原さんのfacebook https://www.facebook.com/shiho.yanagihara.73でご覧いただけます。友達申請や講演依頼なども大歓迎とのこと。ぜひ直接お問い合わせくださいね。

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